事例の背景
「このままでは、あと3ヶ月でスタッフに給料が払えなくなる」 埼玉県内で念願の独立を果たしたT院長は、開業10ヶ月目にして、通帳の残高が急激に減っていく恐怖に震えていました。
内装や機材には妥協せず、数千万円の借入をしてスタートしましたが、近隣の競合医院との差別化に苦戦。新患数は伸び悩み、毎月の固定費が医業収入を上回る赤字状態が続いていました。以前の税理士は「開業当初はこんなものですよ」と言うだけで、具体的な改善策も追加融資の相談も受けてくれませんでした。
「自分の実力不足だったのか。家族やスタッフを路頭に迷わせてしまうのか」 精神的に追い詰められ、診療中も患者さんの顔より「今日のレセコンの数字」ばかりが気になる悪循環。崖っぷちに立たされた院長が、一縷の望みを託して当事務所の門を叩かれました。
当事務所からのご提案
T院長の課題は、「高すぎる固定費」と「低い再診率」、そして**「銀行への情報開示不足」でした。私たちは「キャッシュアップ顧問(スタンダード)」**として、以下の緊急再生プランを断行しました。
金融機関への「追加運転資金」の調達交渉
まず、現在の赤字原因を徹底的に分析し、あと半年で黒字化するための「現実的な再建計画書」を作成しました。 これを携えてメインバンクへ相談。当初の返済予定を一時的に猶予してもらうなどの交渉と並行し、当事務所の推薦状を添えて、不足する運転資金の追加融資を打診しました。歯科専門の知見に基づいた「回復の根拠」を示すことで、銀行から二度目のチャンスを引き出し、当面のキャッシュを確保することに成功しました。
ユニット稼働率と「リコール率」の徹底改善
新規集患に頼りすぎる経営を改め、一度来院した患者さんの「定着(リコール)」にフォーカスしました。 当事務所が提供する経営分析シートを用い、キャンセル率やリコール移行率を数値化。スタッフ全員で共有し、アポイントの取り方一つから改善しました。広告費に頼らずとも、既存患者さんからの紹介と定期検診が増える仕組みを作ることで、広告宣伝費を削減しながらも医業収入を底上げしました。
役員報酬の見直しと「損益分岐点」の引き下げ
経営が安定するまでの間、院長自身の役員報酬(生活費)を一時的に適正水準まで引き下げ、医院全体の損益分岐点を大幅に下げました。 「いくら売上げれば現金が残るのか」という数値を、毎日院長にフィードバック。感覚ではなく数字で経営をコントロールする癖をつけていただくことで、無駄な材料購入や不要な経費を徹底的に排除し、企業バリュー(価値)を再構築しました。
お客様の声
「あの時、厳しいことも含めてハッキリ言ってくれたおかげで、今の私があります」 当事務所に相談した際、最初に出された数字の結果は非常にショッキングなものでしたが、同時に『まだ間に合う』という具体的な道筋も示してくれました。
追加融資が決まった時は、本当に膝から崩れ落ちるほど安堵しました。自分一人では銀行に何を説明すればいいかも分からず、ただ頭を下げることしかできなかったと思います。専門家が作成してくれた事業計画書には、自分でも気づいていなかった自院の強みが書かれており、それが私の自信にも繋がりました。
おかげさまで、現在は当初の目標だった単月黒字を安定して超え、スタッフとも『次はユニットを1台増やそう』と前向きな話をしています。開業直後の苦しい時期に、単なる税務だけでなく『経営の命綱』を握ってくれたことに、心から感謝しています。