事例の背景
「医業の利益は出ているのに、税金で半分近く持っていかれ、個人の資産が思うように増えない」 東京都内で自費診療をメインに成功を収めていたT理事長は、ジレンマを抱えていました。
医療法人の役員報酬には上限があり、それ以上に個人の手残りを増やそうとすると、所得税の最高税率が重くのしかかります。一方で、法人の内部留保も「医療法」の制限により、使い道が限定されてしまう。以前の税理士は「税務署に目をつけられるから、今のままでいい」と保守的な回答に終始し、理事長が抱く「家族の将来や引退後の不安」には寄り添ってくれませんでした。
「もっと自由に、かつ合法的に、家族のために資産を分散・蓄積する仕組みはないのか」 クリニックのバリュー(価値)を最大化しつつ、一族の資産を守るための高度なスキームを求めて、当事務所のエグゼクティブ顧問を契約されました。
当事務所からのご提案
T理事長のケースは、医業単体の損益管理ではなく、**「一族全体のホールディングス経営」への転換が必要でした。私たちは「キャッシュアップ顧問(エグゼクティブ)」**として、以下の財務戦略を断行しました。
MS法人の設立と「収益源」の多角化
まず、医業とは別に、物品販売や事務代行、歯科機材のリース等を行うMS法人を設立しました。 これまで医療法人の経費として処理していた項目の一部をMS法人の売上として計上。理事長夫人やご家族をMS法人の役員とすることで、世帯全体での所得分散を図り、累進課税による税負担を劇的に軽減しました。これにより、グループ全体で年間数百万円単位のキャッシュフロー改善を実現しました。
医療法人の「余剰資金」の戦略的活用
医療法人内に溜まった現預金を、MS法人を通じた「機材リース」や「不動産管理」に充当するスキームを構築しました。 法人の利益を闇雲に課税対象とするのではなく、将来の分院展開や移転を見据えた「投資資金」としてMS法人へ還流。これにより、医療法人の解散時や承継時の税務リスクを抑えつつ、理事長個人がコントロールできる資産を厚くする仕組みを整えました。
50年先を見据えた「資産形成ロードマップ」の作成
単なる目先の節税ではなく、リタイア時の退職金準備や、次世代への事業承継を視野に入れた長期計画を策定しました。 MS法人の企業価値を適正にコントロールすることで、将来の相続税負担を最小化。エグゼクティブ顧問として、毎月の会議でグループ全体のPL(損益計算書)とBS(貸借対照表)をモニタリングし、常に「攻めの財務」ができる体制を構築しました。
お客様の声
「『税金を払って終わり』ではない、経営の新しい視点をもらいました」 当事務所に相談して、医療法人経営の本当の『出口戦略』が見えた気がします。MS法人の活用は知っていましたが、実態が伴わなければリスクになることも丁寧に教えていただき、コンプライアンスを守りながら最大限のメリットを享受できる形を整えてくれました。
おかげさまで、世帯全体の手残り資金が目に見えて増え、将来への不安が確信に変わりました。また、事務作業をMS法人へ外注することで、クリニックのスタッフが診療に専念できる環境になり、結果として医業収入も伸びるという好循環が生まれています。
『経営者は孤独だ』と言われますが、財務の最高責任者として、ここまで深く私の人生設計に踏み込んで提案してくれるパートナーに出会えて本当に良かったです。これからも、法人のバリューを高めるための参謀として期待しています。