事例の背景
「毎月、給与明細を配る時期になると、理事長室にこもって検算ばかりしていました」 千葉県内で2つの医院を経営するT理事長は、スタッフが20名を超えたあたりから、目に見えない「事務作業の壁」にぶつかっていました。
タイムカードの集計、残業代の計算、社保の等級確認……。これらをすべてアナログなExcel管理で行っていたため、毎月数十時間の工数が発生。以前の会計事務所からは「給与計算代行」を提案されましたが、月々の費用が高額な割に、勤怠データとの連携が不十分で、結局現場での確認作業はなくなりませんでした。
「この事務作業に費やす時間があれば、もっと患者さんの満足度を高める施策を打てるはずだ」 組織をさらに拡大するためには、旧態依然とした事務フローを破壊し、スマートな「本部機能」を構築する必要がある。そう考えた理事長は、ITと財務の双方に強い当事務所に改革を依頼されました。
当事務所からのご提案
T理事長の課題は、**「事務の属人性」と「アナログの限界」でした。私たちは「キャッシュアップ顧問(エグゼクティブ)」**として、以下のバックオフィスDXを断行しました。
クラウド勤怠・給与ソフトの垂直立ち上げ支援
まず、バラバラだった打刻管理をクラウドシステムへ一元化しました。 スタッフがスマートフォンやタブレットで打刻するだけで、残業代や各種手当が自動計算される仕組みを構築。当事務所の専門チームが設定を代行し、歯科特有の「変形労働時間制」や複雑な給与体系にも完全対応させました。これにより、これまで数日かかっていた集計作業が、わずか数分で完了する体制を整えました。
事務工数削減による「時間生産性」の再定義
事務作業を50%削減することで生まれた時間を、どのように「利益」に変えるかの戦略を練りました。 これまで事務に追われていたチーフスタッフを、患者さんへの「トリートメントプラン提示」や「スタッフ育成」に専念させる役割へとシフト。事務コストという「マイナスの時間」を、自費率向上という「プラスの時間」へ変換することで、追加の採用コストをかけずに医院の総売上を10%以上押し上げるロードマップを実行しました。
リアルタイムな「人件費率」のモニタリング
給与データがクラウド化されたことで、各分院の「売上に対する人件費率」を月次ではなく、ほぼリアルタイムで把握できる経営ダッシュボードを構築しました。 「今月は残業が増えているが、それに見合う利益が出ているか」を即座に判断。エグゼクティブ顧問として、数値に基づいた適正な人員配置や賞与原資の策定をアドバイスし、法人の財務健全性とスタッフの満足度を同時に高めるガバナンスを確立しました。
お客様の声
「事務作業という『重石』が取れた瞬間、組織が軽やかに動き出しました」 当事務所にクラウド化を主導してもらったおかげで、私自身も数字の確認に追われることがなくなり、経営者としての本来の仕事である『ビジョン構築』に時間を使えるようになりました。
以前は給与計算のミスでスタッフに不信感を与えてしまうこともありましたが、今は透明性が高く、スタッフも自分の給与明細をスマホでいつでも確認できるため、信頼関係がより強固になりました。
『DX』と聞くと難しく感じますが、要は『無駄な時間を付加価値に変えること』。財務のプロがITの導入まで伴走してくれたことで、混乱なく移行できました。事務コストを削減できた分、スタッフの福利厚生を充実させることができ、求人を出せばすぐに優秀な人が集まる『バリューのある法人』へと進化できたと実感しています。