事例の背景
「技工所からの請求書を見るのが怖くなっていました。材料費の高騰分がそのまま転嫁され、こちらの利益が削られる一方だったんです」 さいたま市内で審美歯科に注力するT院長は、売上が上がっても手残りが増えない構造に悩んでいました。
特に自費の補綴物が増えるほど、技工料の負担(売上比20%超)が重くのしかかります。以前の会計事務所からは「外注先を安いところに変えればいい」と言われましたが、品質を落とせば再製作のリスクが高まり、かえってバリュー(信頼)を損なうことは明白でした。
「いっそ腕の良い技工士を中で雇いたい。でも、社会保険や給与という固定費を抱えてやっていけるのか?」 そんな経営判断の「迷い」を、正確な数字で解消するために当事務所へ相談に来られました。
当事務所からのご提案
T院長の課題は、**「技工料という変動費を、人件費という固定費に置き換える際の収支バランス」が見えていないことでした。私たちは「キャッシュアップ顧問(スタンダード)」**として、以下の内製化戦略を支援しました。
技工士採用の「投資対効果」シミュレーション
まず、過去1年間の外注技工料を品目別に全件集計しました。 「内製化することで月間150万円の外注費がいくら減るか」と、「技工士の給与・社保・材料費」を天秤にかけ、月間80万円以上の利益改善が見込めることを算出。採用コストを考慮しても1年以内に投資回収が可能であるという「確証」を提示しました。
設備投資への「ものづくり補助金」等の活用支援
院内技工を加速させるためのCAD/CAMシステムやファーネスの導入に対し、活用可能な補助金の選定と申請をサポートしました。 融資による資金調達も並行して行い、手元資金を減らさずに最新の技工環境を整備。これにより、技工士が「入社したくなる魅力的な環境」を整え、優秀な人材の確保にも成功しました。
「即日修復」による自費単価の再設計
内製化のメリットはコスト削減だけではありません。 「型取りしたその日にセットできる(ワンデイトリートメント)」という付加価値を診療メニューに加え、価格を再設定しました。外注では不可能だった「スピード」と「精密な色合わせ」を売りにすることで、自費率がさらに向上。結果として、技工士の給与を十分に賄いながら、医院全体の粗利益率を8%改善するバリューアップを実現しました。
お客様の声
「『人を雇うのはリスクだ』と思っていましたが、正しい計算に基づけば『最大のリターンを生む投資』になるんですね」 当事務所にシミュレーションしてもらったおかげで、自信を持って技工士を採用することができました。以前は外注先に気を使いながら納期調整をしていましたが、今は隣の部屋で直接ディスカッションできるため、補綴物のクオリティが格段に上がりました。
財務面でも、毎月150万円払っていた外注費が、技工士の給与を含めても100万円以下に収まっており、年間で600万円以上の利益が上乗せされています。
『安く済ませる』のではなく、『価値を中で作る』。この発想の転換を数字で支えてくれたパートナーに感謝しています。次は、この技工部門をさらに強化し、近隣医院からの受託も視野に入れた経営を目指したいと考えています。