事例の背景
「このクリニックの土地、私が死んだら子供たちは相続税を払えるんでしょうか……?」
東京都内で長年歯科医院を経営してきたM理事長。クリニックの土地と建物は個人名義で、医療法人から「家賃」を受け取る形をとっていました。しかし、売上が安定し、借入金の返済も進んだことで、皮肉にも個人の所得税が跳ね上がり、さらに不動産の評価額も高騰。今の顧問税理士に相談しても、「相続の時に考えれば大丈夫です。今は本業の確定申告をしっかりやりましょう」と、肝心の「出口」の話をはぐらかされるばかりでした。
理事長の不安は的中していました。簡易的な試算を行うと、将来発生する相続税は億単位。それに対して、相続人であるお子様たちが用意できる現預金は、その半分にも満たないことが判明したのです。「代々守ってきたこの土地を、税金を払うために切り売りしなければならないのか?」という恐怖が、M理事長を動かしました。
当事務所からのご提案
私は、単なる「相続税の計算」に留まらず、M理事長の資産を「守りながら増やす」ための攻めの承継プランを提案しました。
① クリニック不動産の「MS法人への売却・移転」による所得分散
個人所有の不動産を、お子様が株主となるMS法人(メディカル・サービス法人)へ売却することを提案。これにより、これまで理事長個人に集中していた家賃収入を次世代に分散し、理事長の相続財産がこれ以上膨らむのを防ぎました。同時に、法人税率との差を利用して、世帯全体の手残りを最大化させました。
② 「小規模宅地等の特例」を確実に適用するためのスキーム構築
クリニックの敷地は、条件を満たせば相続税評価額を80%減額できる大きな武器になります。しかし、個人と法人の賃貸借関係や親族の関わり方次第では、この特例が使えないリスクがありました。将来の税務調査を見据え、契約内容や実態を精査し、特例適用のための「完璧な証拠書類」を整備しました。
③ 納税資金の「出口戦略」としての生命保険と遺言の活用
不動産は分けにくい資産です。将来、特定の相続人に土地を継がせる代わりに、他の相続人に現金を渡せるよう、代償分割のための生命保険活用と遺言信託をアドバイス。単なる節税ではなく、家族が揉めないための「心の整理」まで踏み込んだ提案を行いました。
お客様の声
「税理士を変えるだけで、これほどまでに将来の見通しが変わるのかと驚きました」
前の税理士さんは、毎年の申告には熱心でしたが、私が本当に心配していた『数十年後の家族の幸せ』には無関心でした。今回、不動産をどう動かせば、自分たちの手元にいくら現金が残り、子供たちがどれだけ楽になるかを1枚の図で見せてもらい、ようやく夜にぐっすり眠れるようになりました。
特に『小規模宅地等の特例』の活用については、素人判断では絶対に無理だったと思います。クリニックの土地を切り売りすることなく次世代に繋げられる道筋が見え、私自身の引退後の生活もより豊かなものになりそうです。経営だけでなく、資産の守り方を知るプロに出会えて本当に良かった。