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[キャッシュアップ顧問]

歯科医院の資金繰り|納税と賞与が重なる月の資金不足を解消【千葉】

  • 投稿:2026年09月18日

ご相談のきっかけ

千葉県内で歯科医院を営むE様(50代・個人事業)からのご相談でした。経営そのものは安定していますが、毎年決まった時期に資金が足りなくなるのが悩みでした。

「7月と12月が毎年こわいんです。賞与を払って、予定納税があって、月末に残高を見るたびに冷や汗をかいています。足りない年は、生命保険の契約者貸付でしのいだこともありました」。

状況の整理(タイムライン)

歯科医院の資金繰りは、支出の時期がある程度決まっています。E様の医院で資金が薄くなる月を並べると、次のようになりました。

7月 所得税の予定納税(第1期)、夏季賞与、労働保険料の納付。11月 所得税の予定納税(第2期)。12月 冬季賞与。3月 所得税の確定申告納付、消費税の納付。5月〜6月 住民税・事業税の納付が始まります。

つまり、資金が苦しくなるのは突発的な出来事のせいではなく、毎年同じ時期に、分かっている支出が重なっているだけでした。

もう一つ、歯科医院特有の事情があります。保険診療の収入は、レセプトを請求してから入金までおよそ2か月かかります。売上が立った月と現金が入る月がずれるため、「今月は忙しかったのに口座が寂しい」という現象が起こります。この時差を織り込まずに支出の計画を立てると、必ずどこかで詰まります。

当事務所の対応

12か月先までの資金繰り表を作りました。 診療報酬の入金は2か月遅れで計上し、自費と窓口負担金は当月入金として分けます。支出側は、人件費・賞与・材料費・リース・借入返済・各種納税を月単位で並べました。これで、どの月にいくら不足するかが事前に見えます。

次に、口座を目的別に分けました。 メインの入出金口座とは別に、「納税用」と「賞与用」の2つを開設し、毎月一定額を自動で振り替えます。納税用は年間の納税見込額の12分の1、賞与用は年2回の支給額の12分の1です。

この方法の要点は、残ったお金を貯めるのではなく、先に取り分けることにあります。メイン口座の残高が少なく見えても、それが本当に使えるお金です。

あわせて、支出のタイミングもずらせるものは調整しました。 労働保険料は分割納付を選択し、材料の大口発注は入金の多い月に寄せています。

毎月の面談で、3か月先の残高予測を確認する運用にしました。 資金繰り表は作って終わりではありません。実績とのずれを毎月見て、必要なら手を打ちます。

結果

運用を始めて最初の7月、E様から「今年は何も心配せずに賞与を払えました」とご連絡をいただきました。積立口座から支払っただけだからです。

契約者貸付は解消し、その後は資金のために借りることもなくなりました。

「毎年こわい時期があること自体が、当たり前だと思っていました。分けて積むだけで解決するなら、もっと早くやればよかった」とお話しいただいています。

担当者からのひとこと

資金繰りが苦しくなる原因の多くは、突発的な支出ではなく「予測できたはずの支出」です。予定納税も賞与も、金額も時期も事前に分かっています。分かっているものは、先に取り分けておけば必ず払えます。

とくに歯科医院では、診療報酬の入金が2か月遅れることを前提に組み立てる必要があります。損益計算書だけを見ていると、この時差は見えません。

毎年同じ時期に資金を心配している先生は、まず12か月分の資金繰り表を作るところから始めてみてください。作業自体は難しいものではありません。

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