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歯科医院の税務調査で追徴ゼロ|事前準備3つの要点【東京】

歯科医院の税務調査で追徴ゼロ|事前準備3つの要点【東京】

ご相談のきっかけ

東京都内で歯科医院を営むT様(40代・個人事業)からのご相談でした。ある日の午前中、税務署から電話が入り、「所得税と消費税の調査に伺いたい」と、3週間後の日程と対象年分(直近3年分)を告げられたそうです。

開業から9年、税務調査を受けるのは初めてでした。「やましいことをしているつもりはありませんが、3年前の領収書について聞かれても、正直なにも覚えていません」。何を準備すればよいのか分からないまま日だけが過ぎていく——その不安から、歯科医院の調査に慣れた事務所を探してご連絡をいただきました。

初回のご相談は、通知を受けた3日後。調査日まで、およそ3週間が残されていました。

状況の整理(タイムライン)

最初に確認したのは、事前通知の内容そのものです。税務調査の事前通知では、調査の日時・場所・対象となる税目・対象期間などが伝えられます。ここを正確に押さえるだけで、準備すべき範囲は大きく絞り込めます。T様の場合は所得税と消費税の3年分。まずはこの範囲に集中することをお伝えしました。

次に、過去3年分の確定申告書・総勘定元帳・通帳・レセコンの集計データを拝見し、歯科医院の税務調査で必ずと言っていいほど確認される次の3点を点検しました。

①自費診療の売上計上 インプラントや矯正は、治療期間と入金のタイミングがずれます。どの時点で売上に計上しているか、その基準が毎期一貫しているかが見られます。

②技工外注費 歯科技工所への支払いが、実態として「外注」なのか「給与」なのか。この判断は、消費税の仕入税額控除と源泉徴収の両方に影響します。

③材料と窓口現金の管理 期末の材料在庫が計上されているか、窓口で受け取った現金とレセコンの日計表が合っているか。

点検の結果、T様の処理そのものに大きな誤りはありませんでした。問題は別のところにありました。正しく処理しているのに、それを裏づける資料が手元にないという点です。たとえば自費の売上は治療完了時に計上されていましたが、根拠となる治療計画書や同意書は診療録に綴じられたままで、帳簿の数字とはつながっていませんでした。

当事務所の対応

調査日までの3週間を、次の3つに分けて準備を進めました。多くの歯科医院にそのまま当てはまる「事前準備の3つの要点」です。

要点① 調査官が見る論点を、先に洗い出す。 過去数年分の帳簿を、調査官の視点で読み直します。歯科医院の場合、売上・材料費・技工費の比率が前年と比べて大きく動いている年があれば、必ずその理由を聞かれます。T様も2年前に材料費率が上がっていたため、ユニット1台の増設に伴う初期在庫の積み増しが原因であることを、発注書で確認しました。

要点② 数字の根拠を、一枚の資料にまとめる。 帳簿を見せるだけでは説明になりません。自費売上については「治療完了ベースで計上している」という基準を文章にし、期末前後の症例ごとに治療計画書・完了日・入金日を一覧にした突合表を作成しました。技工外注費についても、技工所ごとの契約形態・作業指示の方法・支払条件を整理し、外注として扱う根拠を明確にしました。

要点③ 想定問答を作り、院長先生ご自身が答えられる状態にする。 調査当日、調査官の質問に答えるのは院長先生です。「自費の料金はどう決めていますか」「窓口の現金は誰が数えていますか」「ご家族への支払いはありますか」——歯科医院でよく聞かれる質問を20問ほど用意し、事前に一緒に確認しました。答えを暗記していただく必要はありません。分からないことは「分からないので後日資料でお出しします」と答えて構わない、とお伝えするだけでも当日の負担はずいぶん違います。

調査当日は、当事務所の担当者が朝から立ち会いました。

結果

調査は2日間で終了しました。自費売上の計上基準、技工外注費、材料の在庫については、事前に用意した資料でその場で説明ができ、追加の資料提出を求められることもありませんでした。

最終的に、修正すべき事項の指摘はなく、追徴課税もゼロ(是認)で調査は終わっています。

T様からは「聞かれたことに、その場で資料を出して答えられたのが大きかった。準備していなければ、たぶん何も言い返せずに終わっていたと思います」とお話しいただきました。調査後は、治療計画書と売上計上をひもづける運用と、窓口現金の日次チェックの手順を、そのまま医院の仕組みとして残しています。

担当者からのひとこと

税務調査は、過去の事実を正しく説明できるかどうかで結果が決まります。処理が正しくても、それを示す資料がなければ「説明できない支出」として扱われてしまうことがあります。逆に言えば、準備の時間さえ確保できれば、必要以上に恐れるものではありません。

事前通知から調査日までは、通常2〜4週間ほどです。この期間があれば、帳簿の点検と資料の整備は十分に間に合います。「調査の連絡が来た」という段階でも、「そろそろ来そうで不安」という段階でも構いません。早くご相談いただくほど、打てる手は増えます。

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