ご相談のきっかけ
神奈川県内で歯科医院を営むL様(40代・個人事業)からのご相談でした。顧問料は月額4万円、決算料込みで年間60万円ほど。
「この金額が高いのか安いのか、判断できません。ただ、年に一度決算書をもらうだけで60万円というのは、何か違う気がしています」。
L様が知りたかったのは「相場はいくらか」でした。しかし、お話をうかがって最初にお伝えしたのは、それとは少し違う観点です。
状況の整理(タイムライン)
顧問料は、金額だけを比べても意味がありません。その金額に何が含まれているかで判断するものです。同じ月額4万円でも、記帳代行を含むかどうか、月次面談があるかどうか、年末調整や償却資産申告が別料金かどうかで、中身はまったく変わります。
そこで、現在の契約に含まれている業務を一覧にしていただきました。
含まれていたもの 仕訳の入力(領収書と通帳を渡す形)、試算表の作成、年1回の決算と確定申告、年末調整。含まれていなかったもの 月次の面談、経営に関する提案、資金繰りの相談、税務調査の立会い(別料金)、償却資産申告(別料金)。
つまりL様は、「作業」に対しては対価を払っていましたが、「相談」に対しては何も受け取っていませんでした。不満の正体は、金額ではなく中身のほうにありました。
当事務所の対応
まず、業務の棚卸表をお渡ししました。 顧問税理士に依頼できる業務を一覧にし、現在の契約に含まれるもの・含まれないものを色分けしたものです。これを見れば、どこに空白があるかが一目で分かります。
次に、L様が本当に必要としている業務を整理しました。 スタッフの採用を増やすべきか、自費の価格をどう設定するか、設備の更新をいつ行うか。いずれも、数字を見ながら相談できる相手が必要な内容でした。
そのうえで、当事務所のサービス内容と料金をご提示しました。 月次の面談、歯科の指標による業績レポート、資金繰りの管理、税務調査への対応。何が含まれ、何が別料金になるかを、契約前にすべて書面でお示ししています。
比較は、当事務所だけで行わないようお伝えしました。 他の事務所の見積もりも取り、同じ業務範囲で比べていただく。そのうえで選んでいただくのが、結局はいちばん納得のいく決め方です。
結果
L様は、複数の事務所を比較したうえで当事務所をお選びになりました。顧問料は以前より上がっていますが、月次の面談と経営レポートが加わっています。
「値段で選んだのではなく、何をしてもらえるかで選びました。今は、毎月の面談で次の一手を決められるので、払っている金額の意味が分かります」。
乗り換え後は、自費の価格設定の見直しと、スタッフの配置についての検討を進めています。
担当者からのひとこと
顧問料が高いか安いかは、金額だけでは決まりません。契約に何が含まれているか、そして先生が必要としているものがそこに入っているか。この2点で判断してください。
「安いが何もしてくれない」も「高いが何もしてくれない」も、どちらも問題です。逆に、必要な相談ができているなら、相場より高くても納得できるはずです。
まずは、今の契約に含まれる業務を書き出してみてください。当事務所の初回相談では、その棚卸しからお手伝いしています。