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解決事例

[税理士乗り換え]

歯科医院の税理士変更|開業時に紹介された税理士を見直し【神奈川】

ご相談のきっかけ

神奈川県内で歯科医院を営むM様(50代・個人事業)からのご相談でした。開業のとき、材料ディーラーの担当者から紹介された税理士と契約し、そのまま10年が経っています。

「特に不満があるわけではないんです。ただ、一度も他と比べたことがない。それでいいのかな、と急に気になりまして」。

セカンドオピニオンとして、過去の申告内容を確認するところから始めました。

状況の整理(タイムライン)

過去3年分の確定申告書、決算書、固定資産台帳、届出の控えを拝見しました。申告そのものに誤りはありません。ただし、使える制度が使われていない箇所がいくつかありました。

①消費税の課税方式 歯科医院の売上のうち、保険診療は消費税が非課税、自費診療は課税対象です。M様は自費売上が1,000万円を超えており、課税事業者になっていました。ここで、本則課税と簡易課税のどちらを選ぶかで納税額が変わります。歯科医院のように大きな仕入れが少ない業態では、簡易課税のほうが有利になるケースが多く、M様の過去の数字で試算しても差が出ました。

ただし、簡易課税の適用を受けるには、適用しようとする課税期間が始まる前に届出書を提出する必要があります。さかのぼって選択することはできません。つまり、過去の分は取り返せず、翌期からの適用になります。

②少額の減価償却資産 一定額未満の資産については、取得した年に全額を経費にできる特例があります。M様の固定資産台帳には、この特例を使えば一括で経費にできたはずの器具が、何年もかけて償却されていました。

③所得控除 小規模企業共済にもiDeCoにも加入されていませんでした。10年間、一度も案内がなかったそうです。

当事務所の対応

まず、翌期からの消費税の課税方式について、届出の要否を判断しました。 過去の実績と今後の見込みで両方式を試算し、期限内に届出を行っています。届出の提出期限は、うっかりすると1年待つことになる重要な期日です。

次に、少額資産の扱いを今後の基準として整理しました。 どの金額帯の資産をどう処理するか、判断の基準を明文化しています。過去分について遡って処理を変えることはできませんが、今後の取得分には確実に適用します。

所得控除については、すぐに手続きを進めました。 小規模企業共済とiDeCoの加入により、年間の所得控除が新たに生まれています。

あわせて、過去の申告に誤りがないかも確認しました。 仮に払いすぎがあった場合、原則として法定申告期限から5年以内であれば更正の請求という手続きが可能です。M様の場合、この対象になるものはありませんでした。

結果

翌期からの消費税の課税方式の見直しと、所得控除の新規加入により、年間の税負担は明確に軽くなりました。

M様からは「10年間、一度も見直さなかったことが問題だったと分かりました。悪い税理士だったのではなく、歯科の事情を知らなかっただけなのだと思います」とお話しいただいています。

担当者からのひとこと

開業時に紹介された税理士と長く付き合うこと自体は、悪いことではありません。問題は、一度も比べていないことです。

税制も、医院の規模も、10年あれば変わります。開業当初に適していた体制が、今も適しているとは限りません。

セカンドオピニオンは、乗り換えを前提とするものではありません。過去数年分の申告書をお持ちいただければ、見直しの余地があるかどうかをお伝えします。「何もありませんでした」という結論であれば、それはそれで安心材料になります。

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