ご相談のきっかけ
埼玉県内で歯科医院を営むP様(30代・個人事業)からのご相談でした。不満は一点に集約されていました。
「質問をしても、返事が来るのが1週間後なんです。しかも『確認して折り返します』で終わって、そのまま忘れられていることもあります」。
決定的だったのは、中古のユニットを購入するかどうかの判断でした。年末に良い出物があり、税務上の扱いを確認したかったのですが、返事を待っているうちに売れてしまったそうです。
状況の整理(タイムライン)
経営の判断には、期限があります。設備の購入、スタッフの採用、給与の設定、借入の申し込み。どれも「今月中に決めなければならない」ことが少なくありません。
とくに税務が絡む判断には、日付そのものが結論を左右するものがあります。たとえば減価償却は、資産を取得しただけでは始まりません。実際に事業に使い始めた日(事業供用日)が基準になります。年末に購入しても、稼働が翌年になれば、その年の経費にはなりません。
P様が逃した中古ユニットの件も、本来であれば「年内に設置して稼働できるか」を確認したうえで、その場で判断できたはずのものでした。
回答の速さは、サービスの丁寧さの問題ではなく、先生の意思決定の質に直結するという整理をしてお伝えしました。
当事務所の対応
連絡手段を複数用意しました。 電話、メールに加えてチャットを導入し、簡単な確認はチャットで完結できるようにしています。院長先生は日中、診療に入っておられます。電話が取れないことを前提に、非同期でやり取りできる手段が必要です。
回答の期限を決めました。 原則2営業日以内に回答します。すぐに結論が出ない内容でも、「いつまでに回答するか」はその日のうちにお返しします。放置されているのか検討中なのかが分からない状態が、いちばん不安だからです。
担当を一人にしない体制にしました。 担当者が不在でも、医院の状況を把握している別の担当が対応できるよう、情報を共有しています。
よくある判断は、あらかじめ基準を作りました。 設備購入の時期、少額資産の処理、スタッフの給与改定の時期、経費にできる支出の範囲。頻出するものは事前に基準を決めておけば、そもそも質問する必要がなくなります。
結果
乗り換え後、P様は中古のCTを決算期末に購入されました。設置と稼働のスケジュールを事前に確認し、その年の経費に算入できるかどうかを判断したうえでの決定です。チャットでのやり取りは当日中に完結しました。
「聞きたいことをその日のうちに聞ける。それだけで、経営のスピードが変わりました」とお話しいただいています。
担当者からのひとこと
税理士の対応の速さは、サービスの質というより、先生が判断を下せるかどうかの問題です。返事が来ないために決められない、というのは、機会を失っているのと同じことです。
とくに設備投資は、購入の日付と稼働の日付で税務上の扱いが変わります。決算期末に近いほど、確認は急ぎになります。
今の顧問に聞きたいことがあるのに聞けていない、という状態が続いているなら、それは相性の問題ではなく体制の問題かもしれません。一度ご相談ください。